神久保荘へようこそ 7 「さよなら、そしてこんにちは」

 

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神久保壬久(かみくぼ みく) 女・十代でデビューした漫画家・25歳
何かというとアナログ志向
神久保駒子(かみくぼ こまこ) 女・26歳。壬久の姉。
ラジオのパーソナリティ・元声優
坂下敦也(さかした あつや) 男・33歳。壬久の高校時代の担任
現在は神久保家の同居人兼アシ
パソコンに強いデジタル志向
橘 天馬(たちばな てんま) 男・24歳。放送局勤務。
かつて駒子のおっかけをしていた。
神久保 栄(かみくぼ さかえ) 女・50歳。主婦。
壬久の母。駒子のおば。
医師 男・36歳。

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○ アパート・敦也自室

壬久「……朝だ。あっちゃん、起きて起きて」

敦也「うーん、もうちょっと……」

壬久「……ふふふ」(たくらみの笑み)

敦也「んー……」

壬久「お客さん、もうお時間ですよ。このまま延長になさいますか?
 そうですと料金、倍額になりますがよろしいでしょうか」

敦也「え!? あ、いえ帰ります!! ……って、神久保!!」

壬久「ふふん。おはよう、あっちゃん」

敦也「お前性格悪いぞ!!」

壬久「ねえ、約束して欲しいことがあるんだけど」

敦也「何?」

壬久「そう滅多に相手してあげられないけど、もうお店には行かないでね」

敦也「……分かってる。こうなる以上最初からそのつもりだった」

壬久「それならいいよ」

敦也「さて……壬久、先に風呂入ってこいよ」

壬久「う、うん」

敦也「どうした?」

壬久「不意うちで名前呼ばれたからドキッとした」

敦也「そうかあ、神久保はこういうのに弱いんだな。うん」

壬久「私は良いけど、そっちがいじめるのはナシね」

敦也「なんでだよ〜」

壬久「私が稼いでんのよ。文句あるの?」

敦也「……ありません、はい」

 

○ 橘天馬自宅マンション

天馬「……なんとなくそんな気はしたけど。まさか、ホントにそうなるなんてなあ」

駒子「うーん……」

天馬「腕枕して上げられないのが残念だったな……どっちみち包帯は解けるわ
 なんか血はにじんでるわだけど。今日、もう一回病院行こう」

駒子「……天馬ぁ」

天馬「え、はい? ……あ、寝言か。びっくりした。俺の夢でも、見てんのかな。
 そういえばこういう状況……俺にとっては中学の時以来だって知ったら、
 駒さんなんて思うんだろう。まあ、言わないけど」

駒子「ていっ!」

天馬「うわっ!! よりによって怪我してる腕を殴らないで下さい! 駒さん……
 いくら寝ぼけてるからって」

駒子「寝ぼけてないわよ」

天馬「えっ!?」

駒子「何の状況が中学以来って?」

天馬「う……」

駒子「言いなさいよ!」

天馬「だから、あの、こういう朝を迎えるのが、です」

駒子「あんたそんなに経験早かったの!?」

天馬「……家に居たくなくて、友達の家渡り歩いてる間に、その友達のお姉さん
 とかと……その」

駒子「あんたも……淋しかったんだ」

天馬「……そうですね。いろいろあって」

駒子「もう、一人にしない」

天馬「え?」

駒子「これからは私が、あんたのそばにいる」

天馬「駒さん……」

駒子「いいでしょ?」

天馬「はい、そばにいてください。出来れば一生……」

 

○ アパート・作業部屋

壬久「ほーら遅れを取り戻すよっ!!」

敦也「……1日分くらいどうってことないって言ったの誰だよ」

壬久「何か言った!?」

敦也「なんでもありません……」

壬久「仕事早く終わらせて、ゆっくりしたいんだよ。あっちゃんとさ」(甘い声)

敦也「は、はい! 頑張りますッ!!」

壬久「それにしても、放送局の話では天馬さんの怪我はちょっと縫っただけって
 言ってたのに、ついてった駒ちゃんの帰りが遅い」

敦也「甲斐甲斐しく世話でもしてんじゃないのか?」

壬久「まあね。多分そうでしょ」

敦也「俺みたいにな」

壬久「これからもお願いね〜」

敦也「任しとけ!」

壬久「わーい、この仕事が上がったら病院でバカンスだ〜」

敦也「……それもまた微妙な気がするけどな」

 

○ 橘天馬自宅マンション

天馬「え? 帰らない?」

駒子「だって心配なんだもん。ここに居る」

天馬「……でもせめて、壬久さんとかに顔見せてからの方が」

駒子「それは……」

天馬「俺、今日また病院に包帯替えに行くんで……せめてその間にアパートで
 簡単な荷造りでもしておいて下さい」

駒子「天馬がそうしろっていうなら」

天馬「そうしてください。で、俺が迎えに行ったらちゃんと二人に挨拶しましょう。
 で、そのあと放送局に顔出して」

駒子「あ、そうか…着替え取りに行かないと」

天馬「そうですよ。そのままってワケにいかないでしょ?」

駒子「分かった」

天馬「……ちょっと、意外だな。駒さんがこんなに甘えん坊だったとは」

駒子「嫌いに……なった?」

天馬「まさか。嬉しいんですよ」

駒子「ごめんね、人に甘えるのって下手なの。だから、コントロール出来なくなる
 こともあるけど……気をつけるから」

天馬「俺も、あなたを不安にさせないように気を付けます」

 

○ アパート・駒子自室

敦也「それで、帰って来て早々話って?」

壬久「あらたまってどうしたの?」

駒子「……天馬がまた戻ってきたら詳しく説明するけど、私、アパートを出る
 ことにしたの」

壬久「え?」

敦也「ええっ!?」

駒子「アパートを出て、天馬と一緒に暮らします。いままで、有難う……壬久、
 それからあっちゃん。すごく楽しかった」

壬久「そんな急に……」

駒子「ごめん。決めちゃったらもう居ても立っても居られなくて」

敦也「天馬さんと一緒になる?」

駒子「うん」

敦也「これは先を越されそうだなあ」

駒子「え?」

壬久「私とあっちゃんもね、一応婚約しよっかって話を」

駒子「そうなの!? おめでとう」

敦也「しかし天馬さんも……意外に手が早い」

壬久「そうだね」

駒子「手を出したのは天馬からじゃないよ」

壬久「え?」

駒子「私が、押し切ってこうなったの」

敦也「駒ちゃんが攻め!?」

壬久「……あっちゃん」

敦也「そんな呆れた顔しないでくれよ、冗談だよ」

駒子「……天馬を失うかもって思って、初めて気がついたの。どれだけ自分に
 とって大切なのか」

壬久「あの時の私と同じ気持ちなんだ」

駒子「……だからもう、離れたくない」

敦也「うんうん」

壬久「急で淋しいけど良かったよ。駒ちゃんは大事なものに気付けたんだから」

駒子「壬久が言ってたことの意味、やっとわかった。遅くならなくて良かった」

壬久「幸せになってね」

駒子「うん。壬久もね」

 

壬久M「それから駒ちゃんは、小さな荷物だけ持って神久保荘をあとにした。
 何度も頭を下げる天馬さんと一緒に……」

 

○ 病院内・被検査者宿泊室A

壬久「あ゛ー、検査入院って退屈」

敦也「文句言わない。今年は俺も一緒なんだから。それに『病院でバカンス』
 が楽しみだったんじゃないのか?」

壬久「……意地悪言わないでよ。とりあえず初日は血液検査だけだもんね
 ……異常ないといいな」

敦也「駒ちゃんもおんなじこと言ってたな」

壬久「1日目から異常見つかったらどうしよう」

敦也「大丈夫だって」

壬久「あ、そろそろ天馬さんのラジオが始まるかな」

敦也「ああ、つけようか」

 

○ 放送局・ブース内

天馬「リスナーのみなさまこんにちは。いつものパーソナリティに代わりまして
 今日から一週間、この番組を受け持つことになりました橘天馬と申します」

 

○ 病院内・被検査者宿泊室A

壬久「お、なんかしっかりした感じ。落ち着いてるし」

敦也「うん。見る見る上手くなって行くね」

壬久「駒ちゃんが徹底的に練習に付き合ったらしいけど」

敦也「そうなのか。今頃は向こうの部屋でじっくり耳を傾けてるだろうなあ」

 

○ 放送局・ブース内

天馬「えー、まず最初のメールからご紹介します」

 

○ 病院内・被検査者宿泊室B

駒子「天馬……頑張れよ〜。噛むんじゃないぞ」

 

○ 放送局・ブース内

天馬「それではメールを下さったレオンさんからのリクエスト。崎村高史の
 『Windy』をお聴き下さい」

 

○ 病院内・被検査者宿泊室A

敦也「あ、これ花緒ちゃんのドラマの主題歌だ」

壬久「あー、ビデオ録るの忘れた」

敦也「あ、そうか。今週一回目だったっけ」

壬久「うーん、本人に借りよう。録画するって言ってたから」

敦也「まあ次の仕事のついでに持って来てもらえば……」

壬久「うん。来月のことになるけどね」

敦也「やっぱりしっかり休むんだ」

壬久「検査入院終わったら、駒ちゃんより一足先に里に帰るからね」

敦也「あ、飛行機のチケット予約した?」

壬久「もうしてる。もちろん二人分ね」

 

○ 放送局・ブース内

天馬「今お聞き頂いた曲はFテレビの深夜枠で放送されている『果樹荘のいちごたち』
 の主題歌です。実はこの作品の作者とは知人繋がりで何度かお会いしています。
 私は原作も読んでいるんですが、艶やかなその内容とはやや対照的なイメージで
 した。穏やかで知的な、そして笑顔の可愛い女性です」

 

○ 病院内・被検査者宿泊室A

壬久「なんか、表現が豊かになったよね」

敦也「最近、駒ちゃんの喋りも柔らかくなった気がする」

壬久「いい影響与えあってるんだなあ。私たちもそうなればイイね」

敦也「へへ……」

 (SE:インターフォン)

壬久「ん?」

敦也「あ?」

 

壬久M「天馬さんのお手並み拝見タイムはいきなりの内線で打ち切られた」

 

壬久「は? 私と、駒ちゃんだけに話がある!?」

敦也「何?」

壬久「はい、分かりました。今から伺います」

敦也「何? どうしたんだ?」

壬久「……わかんない。でもとりあえず行って来る」

敦也「心配になるじゃないか!!」

壬久「大丈夫だよ」

 

壬久M「不安げなあっちゃんを残して、私は駒ちゃんと一緒に検査を担当した
 医師のもとへ向かった」

 

○ 病院・廊下

駒子「……よりによって、私たちが揃って呼ばれるってどういうことだろう」

壬久「うん……今までそんなことなかったからね」

駒子「ねえ、どんな病気でもさ……発見早ければどうにかなるよね?」

壬久「医学は進歩してるしね。少なくとも壬子さんやうちのお父さんが死んだ
 時よりは」

駒子「あーあ、もうちょっと聞いてたかったよ。天馬のトーク」

壬久「すぐ戻れるって」

駒子「だと……いいけど」

 

○ 病院・検査室

医師「血液検査の結果が、一部出たのでお越しいただきました」

壬久「あの、何か異常が?」

医師「いえ、異常と申しますか……お二人とも問診ではさほど体調に変化は
 ないということでしたが」

駒子「はい」

壬久「はい、ありません」

医師「明日、予定していた検査プログラムは一部変更させていただきます」

駒子「どうしてですか!?」

医師「今の状態では、危険だと思われるからです」

壬久「一体どんな結果が出たんですか!」

医師「……心当たりはないわけですか? 例えば生理が遅れている、とか」

駒子「……まさか」

壬久「確かに遅れてますけど……いつものこと……あ!」

医師「お二人とも、妊娠反応が出ました。そのためレントゲン撮影は避け
 たいと思います」

壬久「……あっちゃんに何て言おう」

駒子「あんた婚約どころじゃないじゃない。すぐにでも結婚しなさいよ」

壬久「……駒ちゃんこそ」

 

壬久M「部屋に戻るまで、頭の中は混乱したままだった。それは駒ちゃんも
 同じだったに違いない」

 

○ 病院内・被検査者宿泊室A

敦也「どうしたんだよ、二人とも黙ったままで」

壬久「…………」

駒子「(ため息)」

敦也「なあ、おいってば」

壬久「……あっちゃん、病院出たらね」

敦也「うん」

壬久「区役所に直行しよう」

敦也「良いけど、なんで?」

壬久「……」

駒子「責任とんなさいよ、このエロ教師」

敦也「へ?」

壬久「駒ちゃん、何もそこまで……」

駒子「壬久のお腹に、あんたの子供が居るのよ」

敦也「えーーーーーーっ!?」

壬久「ま、あっちゃんが驚くのは無理もないよね。一回しか心当たりないんだから」

駒子「それが大当たりだったわけね」

壬久「駒ちゃんも、でしょ」

駒子「う……一回だけじゃないもん」

壬久「……そ、それで、あっちゃん。ちょっと提案なんだけどさ」(話しそらす)

敦也「ん?」

壬久「神久保荘、売っちゃおう」

敦也「え? 何で!?」

壬久「一応都内のいい場所だし、建物はもう老朽化してるから土地しか価値ない
 けど、それ売ったお金、駒ちゃんと半分ずつにしたいんだ」

駒子「壬久……」

壬久「こうなったら、それぞれに家庭を持つんだし」

敦也「まあそれは、当然の権利だろうな。でも、俺達はどこに?」

壬久「近くにマンション買うか借りようよ。今までみたいに作業出来る広さの」

駒子「……手続きとか、お世話になってる弁護士さんに頼めばイイよ。私から話し
 ておくから」

敦也「分かった。それならいい」

壬久「だからさ、あっちゃん……あのサイト」

敦也「残念だけど、閉鎖だな」

壬久「違うよ。『神久保荘へ』じゃなくて『神久保家へ』にしたら?」

敦也「へ?」

駒子「サイトってなんのこと? 壬久、絵を使われんのいやがってたでしょ」

壬久「絵は全くないんだよ。ただ、あっちゃんがアシの視点から私たちの日常の
 こぼれ話を公開してるだけ」

駒子「あ! そのサイトなの!? あの馬鹿ストーカーが書き込んだって言うのは」

壬久「うん……」

敦也「駒さんゴメン! その所為で天馬さんが」

駒子「……死んだわけじゃないから、いいよ。怪我はちょっと酷かったけどさ」

壬久「どのくらいだったの?」

駒子「まあそれでも、あっちゃんのあの時の怪我よりは軽いけど……10針縫った」

壬久「あー……」

敦也「ごめんなさい」

駒子「だからいいんだって。……あのことがなきゃ、私いつまでも天馬が大事
 なんだって気付かなかったんだから」

壬久「駒ちゃん……」

駒子「そういうことで、ここで宣言しておくけど……私は天馬の名字名乗るから。
 仕事でもね。母にずっとこだわってきたけど、もう執着するのやめる」

壬久「……私は自分の名字好きなんだ。だからさ、あっちゃん」

敦也「ああ。俺、神久保敦也になるよ」

 

壬久M「まあそんなことで、いくつかの検査は省略されてしまったけど……結局
 大した異常は見つからなかった。私にも、あっちゃんにも、駒ちゃんにも。
 退院後、本当にその足で区役所に向かった私とあっちゃんは、約束通りに
 入籍したんだけど……その手続きの際に必要な書類を請求してたら、何と……」

 

○ 区役所

敦也「ちょっと! 神久保」

壬久「何? っていうか名前で呼んでってば」

敦也「ああゴメン……なあ、壬久。これ見てみろ」

壬久「え?」

敦也「お前、養女ってなってる」

壬久「……うそーーーーーーっ!!」

敦也「どういうことなんだ?」

壬久「わかんない。ちょっと親に電話する」

 (SE:携帯の音)

さかえ『はい、もしもし。神久保ですが』

壬久「お母さん! 私だけど」

さかえ『あら、壬久。どうしたの? もう検査は終わった?』

壬久「……さっき退院してきた。でさ、ちょっと今区役所にいるんだけど」

さかえ『区役所?』

壬久「戸籍みたら、私養女ってなってるんだけどなんで!?」

さかえ『ああ、とうとう知っちゃったのね』

壬久「ホントなの!?」

さかえ『本当よ。だってあんたは壬子さんの娘なんだもの。駒子ちゃん以外は
 手元に置いて育てられないからっていうことで、生まれてすぐにうちに来たの』

壬久「私と駒ちゃんが、姉妹!?」

さかえ『そうよ』

敦也「マジすか!!」

壬久「……弟は知ってるの?」

さかえ『あんたが上京してから話したわ。なんか納得してたけどね』

壬久「そうなのか……。ねえ、お母さん」

さかえ『私と壬久は、確かに血のつながりはないけどね、あんたは私のかわいい
 娘であることに変わりないのよ。もちろんお父さんにとっても』

壬久「お母さん……育ててくれて有難う」

さかえ『それはこっちに帰って来て直接聞かせてちょうだい。それより、早く
 坂下さんと一緒になってお母さんを安心させてよ』

壬久「実は今入籍しに来てて。……事後承諾になって悪いけど子供が出来たの」

さかえ『まあ』

壬久「報告遅れてごめんなさい」

さかえ『いいんだけど、こっち帰ってくるとき気をつけてね』

壬久「うん」

さかえ『安心したわ。壬子さんは結婚しないまま駒子ちゃんとあんたを生んだから、
 だからずっと心配だったのよ』

壬久「うん、うん……」

敦也「ちょっと、代わって」

壬久「お母さん、ちょっとあっちゃんに代わる」

さかえ『はいはい』

敦也「あの、お母さん」

さかえ『坂下さん、有難うございます。約束通り壬久をもらってくださって』

敦也「いえ、こちらこそ順番が狂ってしまってすみません」

さかえ『いいんですよ。そうでもなきゃ、たぶん壬久はいつまでも結婚する気なんか
 なかったでしょうから』

敦也「彼女を、幸せにします」

さかえ『ええ、期待してますよ』

 

壬久M「もう、涙が溢れて……後は言葉にならなかった。それから数日後、私と
 あっちゃんは駒ちゃんたちより先に北海道へ。駒ちゃんと天馬さんも遅れること
 1週間後、入籍を済ませてこっちへ飛んできた。駒ちゃんも私が本当の妹だと
 知って驚いていたようだけど。でも、さすが姉妹というべきか。
 母・壬子の17回忌から8ヶ月後、私達は揃って同じ日に出産することになる」

 

○ 敦也&壬久自宅マンション

壬久「うわー、なんか久し振りに帰って来たって感じ。まだ越して来てふたつきなのに」

敦也「まあ、出産準備やらで1ヶ月近く病院にいたからな」

壬久「予定より早産だったからね。……駒ちゃんも」

敦也「これから、大変だけど……頑張ろうな。そう言えばあのアパート、壊されて今
 別の建物が建設中なんだってさ」

壬久「そうかあ。ちょっと淋しいね」

敦也「でも、ここが俺達の新しい家なんだ」

壬久「うん!」

 

壬久M「さようなら、神久保荘。そしてこんにちは……新しい神久保家へ、ようこそ!」

 

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