雲の船 青く青い空に漂う雲の船 ゆるりと地上を見下ろしながら 白く淡い舳先 彷徨う空の海 枯れゆく地表を眺め過ぎ去る 乾く大地に雨雫求めて 舞い踊る少女の指先かすめ まだ満ちぬ まだ届かぬ その祈り その願い 時を待てと告げるように 船は過ぎ行くただ静かに 高く高い空を流離う雲の船 行く先定めぬ航海続く 風のままに向かう 孤高の空の海 儚き命を見遣り過ぎ去る 割れた大地に雨雫求めて まじないを唱える老婆の声に 今満ちる 空を覆う その祈り その願い 雲の船は瞬く間に 波に飲まれ崩れ去る さあ満ちた 時は今こそ その命 その光 黒い海は轟音上げ 粒叩きつけ消えて行く 青く青い大地 芽生えし緑こそ 雲の船の旅路 証となろう |